日本と中国のPR手法の違いとは何か?
中国でモノを売るのに欠かせないのが認知度を上げること。日本と中国ではその手法に違いがあります。本記事では広告とPRの違い・国民性による違いを踏まえながら、今後の中国における有効なPR手法を解説します。
広告会社とPR会社の違い
まずはじめに混同してしまいがちな広告とPRの違いについて押さえておきましょう。
両者の最大の違いは、「情報を発信してもらうためのメディア(テレビ・新聞・雑誌・Web)にお金を払うかどうか」です。
広告の場合、企業が商品の情報を発信するためには、TVCMや折り込みチラシ、屋外の看板などの、広告を出す「枠」にお金を払って購入し、その枠の中で広告を展開し、情報を発信しています。
広告代理店は広告を出したい企業の代わりに、どの枠に広告を出せば効果があがるのか、そこにどういった広告を作り展開するのかを考えることや、実際にその交渉をすることで収益を得ています。
一方PRの場合は、商品やサービスがTV番組や雑誌での紹介、ブログで取り上げられるなど、第三者的に取り上げられることによって、顧客に商品の魅力が発信されます。
PR会社は、商品を作っている企業の代わりに、商品をいかにメディアに取り上げてもらうかという戦略を考えることで対価を得ています。
日本のPR手法
「控えめさ」が重要
日本のPR活動においては、自己顕示欲や大胆さは好まれず、謙虚であることが求められます。これは、日本人の持つ集団主義的な価値観が影響しており、個人主義的なアプローチは受け入れられにくい傾向があるからです。そのため、控えめで穏やかなPR手法が好まれる傾向があります。
感性的なアプローチ
日本人は、感情的な訴求やストーリー性のあるコンテンツが刺さります。このため、商品やサービスを直接アピールするのではなく、
・口コミや雑誌・WEB・オウンドメディアといった第三者的メディア
・商品背景を盛り込む
といった、間接的に魅力を伝える手法がよく使われます。
中国のPR手法
「スピーディな利益追求」の重要性
中国のPR活動では、短期的成果が重視されます。つまり、売り上げを伸ばすことが最優先であり、広告やマーケティング戦略もそれに合わせて設計されます。中国では、商品のトレンドの入れ替わりが凄まじい速さで変わるため、短期的なキャンペーンを展開し、常に新規顧客を開拓することが求められます。
強い社交メディア(SNS)
中国は社交メディアが非常に発展しており、WeChatやWeiboを活用したPR手法が一般的です。また、コロナ禍ではショートムービが急速に伸び、REDやDouyin、快手が強い発信源となりました。
有名人やインフルエンサーを起用し、彼らのファン層に直接アプローチすることで、商品やサービスを宣伝する手法が多用されています。また、SNS上での口コミやシェアリングを促すことで、広告費を抑えながらも多くの人に訴求することが可能です。
大胆で積極的なアプローチ
中国のPR活動では、大胆で積極的なアプローチがよく見られます。例えば、アメリカの高級ファッションブランドCalvin Kleinは、あえて過激な広告を出し話題性を高めました。その結果、大きな反響を呼び、ブランド知名度の向上に貢献しました。
一方、年々広告法の規制は強化され、政治的に敏感なトピックスも多いため、慎重な戦略立案が必要になります。
今後の中国ではどのようなPR手法が有効か?
これまで短期集中的な消費が多かった中国。しかし、コロナ渦を経てそのマインドが変わりつつあります。具体的にはEnvironment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス)といったESGの概念が浸透してきました。
それにともに伴い、PR手法も変化しています。
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