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コラム

【2022年版】中国の流行語ランキングから世相を分析してみた

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日本と同じように中国でも流行語が選ばれ、その年を代表する言葉が雑誌やメディアで紹介されています。これを読み解くことで社会情勢や流行を読み取ることができます。今回は、

  • 語言文学雑誌『咬文嚼字』編集部
  • マーケティング関連メディア『品牌议题』

が選んだ流行語を紹介します。

①語言文学雑誌「咬文嚼字」編集部が選出した流行語BEST10

第1位 踔厲奮発、勇毅前行(奮起し闘志を燃やし、雄々しく前進)

今年最も流行ワード「奮起し闘志を燃やし、雄々しく前進」は、政府の文書や報告、ニュース報道などに多く登場。社会主義現代化国家の全面的建設という方針に向かって、「奮起し闘志を燃やし、雄々しく前進」するという使い方をされ流行しました。

中国政府の気合の入り方・一体感を感じることができます。

第2位 中国式現代化

中国の特色を備えた現代化という意味です。こちらも政治関連のニュースから生まれたもの。中国共産党による社会主義現代化を指しています。

海外のものをそのまま導入するのではなく、今の中国の現状とマッチしたインフラ、産業を発展させる意思を感じます。

第3位 新賽道 (新たなサーキット)

「賽道」とは自動車レースのレーンという意味。日本語に訳すと新しいサーキットとなりますが、「新たな競争の場」を指しており、主に経済分野において登場。

・新しい成長の機会が見込まれる市場
・新技術を用いた新興産業
・破壊的イノベーション
・新たなスタート地点
といった意味を包含しています。

貪欲な中国の姿勢が伺えます。

第4位 大白(ダーバイ)

白い防護服姿で、新型コロナウイルスとの闘いの現場にいる医療従事者やボランティアのことを指します。中国ではディズニーのアニメ映画「ベイマックス」に登場するケア・ロボットを「大白」と訳しており、その姿に似ていることから、白い防護服姿の人々を「大白」と呼ぶようになりました。

この3年、新型コロナウイルスとの戦いのさまざまな場面で「大白」は人々の健康を常に側で守る防壁となり、新型コロナウイルスとの闘いにおける功労者として、親しみと敬意の意味も込めてつけられた名前です。

ゼロコロナ政策に反発する市民の姿が日本のマスメディアに映像として流れたように、中国の感染症対策現場は大変な状況でしたが、それを労う人々の気持ちが読み取れます。

第5位 煙火気(活気)

中国の古語である「煙火気」は、食物を煮炊きする際に漂う香りを指していました。現在ではそれが活力に満ちて人情味あふれる人々の暮らしの様子を指すようになっています。新型コロナウイスの流行により、街の活気の回復が待ち望まれる気持ちから流行した言葉と言えるでしょう。

第6位 天花板 (最高峰・頂点)

現在は、流行しているあらゆる分野の頂点を表現する時に「◯◯的天花板(○○の最高峰)」という使われ方をされています。例えば、上海で最も人気のレストランを「魔都餐庁的天花板」などと表現します。

現在は、流行しているあらゆる分野の頂点を表現する時に「◯◯的天花板(○○の最高峰)」という使われ方をされています。例えば、上海で最も人気のレストランを「魔都餐庁的天花板」などと表現します。

中国アイドルファンのコミュニティの中で使われていた表現が一般にも広がったようです。

第7位 拿捏 (摘まむ/掴む/握る)

「拿捏」という中国語は、本来「把握する」「掌握する」といった意味でSNSを中心に使われています。
例えば、

相手を完全に掌握している
現状を正確に把握している
最終結果を自分がコントロールできる

という様な意味で使われます。

第8位 雪糕刺客(アイスの刺客)

今年の夏「アイスの刺客」がネット上で話題をさらいました。

日本では高価格帯と低価格帯のアイスは別の棚に分けられていることが一般的ですが、中国ではごちゃまぜ。
様々な種類のアイスが価格表記なしに並べられているため、レジで会計をする時にようやく値段がわかって驚く体験をする人が多発しました。具体的には約2,000円もする高額のアイスが「刺客」のように買い物かごに紛れ込んでいるのです。

 「刺客」とは本来、密かに行動してターゲットが油断した隙を狙って、致命的な一撃を与える人を指しますが、「アイスの刺客」は値段の安いアイスの中にこっそり潜んでいる高額アイスのこと。それを選んでしまった消費者は、支払い段階になってようやく気付くので、それがまるで「刺客」に致命的な一撃を与えられたような感覚であることから、「アイスの刺客」と呼ばれるようになりました。

中国で新たに材料にこだわった高級アイスが市場に登場したことから生まれた流行語です。
生活水準・平均所得が向上している様を垣間見ることができます。

第9位 精神内耗 (精神的消耗)

精神的、心理的に余計なエネルギーを使うことを指しており、長期間にわたってそのような状態が続くと、身心共にダメージを受けることになる様を意味しています

社内システムが高度化し、競争社会とも言われる中国では、ストレスを抱える人が年々増えており、「精神的消耗」は現代中国社会においては誰にでも経験がある心理的現象で、全ての人が多かれ少なかれ抱えている問題とも言えるようです。

第10位 沈浸式(没入型)

ある雰囲気や世界観に入り込むことを指します。
中国ではバーチャルの世界で五感の体験をすることができるVRが流行しており、没入型イベントが中国でも人気です。

そこから
・ひたすら食べ続けるライブ配信 
・その商品だけひたすら紹介するPR
・好きな本を読み続ける
・音楽聴き続ける
・没入式勉強(勉強している様子をライブ配信)

と様々なシーンで使われています。

この数年間で中国ではライブコマースが急伸しましたが、ライブ配信で育った同時になにかやる・熱狂するという土壌がこの「没入型」という言葉から読み取れます。

②マーケティング関連メディア「品牌议题」が選出した流行語

松弛感(くつろぎ感)

2022年に出現した新しい消費者の価値を反映した生活状態です。新型コロナウイルスでもたらされた行動制限の鬱憤を晴らす「リベンジ消費」は終わりを迎え、松弛感(くつろぎ感)を与える商品サービスが支持されるようになりました。

老消費

定番品を好む購買行動。コロナ前の景気が良かった時期はいろんな新商品・サービスを手当たり次第買う購買行動が中心でしたが、コロナ渦中で消費が落ち着つき冷静になるとコカコーラ・老干媽(中国産調味料)タバコやお酒、お茶といった生活必需品・定番商品に戻る様子を表しています。

即时零售

注文したら生鮮食品、食品・飲料が1時間以内に届くインスタントリテールを指します(ネットスーパーや宅食・Amazon フレッシュに該当)。新型コロナウイルスで自宅から買い物に出かけられない環境が成長土壌となりました。現在中国ではサービス利用者が約6.4億人もおり、年々成長を続けています。

ESG

ESGとは、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス)の頭文字をとったものです。ESGは2006年に初めて紹介されました。2022年から頻出する用語となっており、中国経済レベルがさらにもう1段上がっていると感じられます。

精致露営

精緻=ハイクオリティ・こだわり
露営=キャンプ

の事を指します。中国では日本同様キャンプブームが起こっており、単なるピクニックではなく、専門的な知識・技術・美意識に裏付けられた高度なアウトドアキャンプニーズが高まっています。

例えばペットを飼っている人同士の限定キャンプだったり・楽器を奏でたり・プロジェクターで映画を見たり。キャンプに加えてもうひとつのアクティビティを楽しむスタイルが拡大中。

その市場は約6,800億円とかなり巨大です。

NFT

日本でも頻繁に取り上げられるようになったNFTが中国でも話題に。投資対象としてデジタルアート・デジタルコレクションを購入することがブーム。有名タレントが売買に絡むことで入手価格の何倍も高騰したりと話題になっています。NFT本来の目的は「デジタルデータに唯一無二の価値を持たせること」ですが、資産性の方が注目されています。

     

中国でモノやサービスを広めたいが手が回らないと
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