中国の動画マーケティング事情 ~ショート動画からライブ配信まで~
中国ではショート動画が急速に成長している
現在中国では、視聴時間が10秒~1分以内で完了するショート動画の視聴者が年々増加中。そして高速通信可能な5G時代が到来し,さらに成長に拍車がかかっています。
具体的には2021年6月の時点で、
- ネットユーザー数10億1,100万人に対し
- 8億8,800万人(87.8%)がショート動画視聴者
です。
またショート動画視聴時間も、125分/日(2021年3月時点)と2018年時点から3割も増加。
主な視聴層は20~35歳のいわゆるZ世代と言われる人。彼らは視聴だけでなく自作の動画をアップします。
ショート動画は、ユーザーの共感を喚起させる生活シーンを切り取った作品が多く、
若い世代の消費者が商品やライフスタイル、トレンド情報を入手するための重要なコンテンツの1つになっています。
中国動画・ライブ配信プラットフォーム
上記が中国における主要なショート動画・ライブ配信プラットフォームですが、中でも著名なのが
- 中国版TikTok(Douyin/抖音)
- 快手(クアイショウ)
似ているようでユーザー層は大きく違います。
①中国版TikTok(Douyin/抖音)
中国版TikTok(Douyin/抖音)は、一級都市にユーザーが多く、最近越境ECが機能が搭載されました。
②快手(クアイショウ)
快手(クアイショウ)は、4~5級都市(地方都市)にユーザーが多く、庶民的な生活投稿が多いです。
③bilibili(ビリビリ)
bilibili(ビリビリ)は、独自の世界観でユーザーとのインタラクティブ性が高く、動画コンテンツのクオリティが高いことで知られています。
④RED(小紅書)
RED(小紅書)は、口コミの多さと信頼性がウリのSNS。KOLの口コミ活用で有名です。
⑤微信(WeChat)の視頻号(ビデオアカウント)
視頻号(ビデオアカウント)はここ最近急速にユーザーを伸ばしています。
もともと微信(WeChat)が抱えていた12億人のユーザー数を背景に、視頻号のアクティブユーザーも大きく伸びており現在5億人越え、今年には6億に到達予定。また、企業公式アカウントも急速に増えており、全体の21%となっています。
最適なショート動画の長さ
下記がショート動画の時間分布とエンゲージメントを10秒毎の尺を切り口に調査したデータです。
①動画の長さ分布
50-60秒が全体の27.6%と最大値を占めていますが
10~20秒の短いものも24.6%と存在感を示しています。
②エンゲージメント分析
アップされた動画にどれほと濃い反応があったのか?10万いいね以上あった動画を分析すると、やはり
50-60秒が全体の29.8%と最大で
次点は10~20秒で21.4%でした。
つまりショート動画市場では短めの10~20秒と長い50~60秒で2極化しているのです。
③短尺動画と中長尺動画の使い分け
10~20sのビデオは短くて簡潔で、ユーザーの「短い動画を沢山見たいニーズ」を満たしています。情報だけをインパクトをもって伝えたい時に効果があります。
50~60秒の中長尺ビデオは、情報を丁寧に伝えることができ、見る側にしっかりした印象を与えることができます。
ショート動画とライブコマースの使い所
ショート動画とともに動画マーケティングで欠かせないのが、ライブコマースです。
この2つのコンテンツですが、どちらかを一択ではなく目的に応じて使い分けたり、組み合わせて効果を出すのが今の中国のトレンドです。
この方法を「品効合一」と言います。
- 品質をアピールするのが得意なショート動画
- 効果をすぐ出せるライブ中継
この二つを組み合わせて使うことで、ブランディングとプロモーションの効果を獲得するものです。
「ショート動画」は商品の魅力や特徴を時間をかけて理解させるのに適しており、ファンを育成することに有効です。また丁寧に作り込んでいる分クオリティも高く、コンテンツ寿命は長め。
対して「ライブコマース」は今まで育成してきたフォロワー(ファン)に購買のきっかけを提供し、コンバージョンを上げる施策と言えます。反面コンテンツ寿命は短めです。
KOL(Key Opinion Leader)を活用せよ
KOLとは日本でいうインフルエンサーのことを指しますが、若い世代ほど購買判断に大きく影響しています。
どのようなKOLをキャスティングすればよいのか?解説した記事もございますので参考ください。
新規ユーザーを取り込む動画コンテンツとは
公式アカウントを開設したら、いち早くフォロワーを増やしたいですよね。そんな時は話題性のあるオンラインイベントを開催し、一気に知名度を高めることがオススメです。
具体的には
- オンラインファッションショー
- ライブで新商品発表会
- 人気タレントをサプライズゲストに迎えてコラボイベント
といった手法です。
一度公式アカウントに人が集まれば、そこがメディア・スタジオ・売り場になります。早めに実行するほどその恩恵を長く受けられるのです。
まとめ
中国では日本以上にショート動画・ライブコマースが進んでいます。商品により最適なプラットフォーム・打ち手は変わってきますので、迷われている方はお気軽にお問い合わせ下さい。