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コラム

【中国】KOL・KOCとは?ランク別活用術と注意点

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中国マーケティングを検討する中で頻繁に出てくるキーワード「KOL」。Key Opinion Leaderの略称で、中国語では網紅と表記。いわゆる日本のインフルエンサーに該当します。

KOLの中国における歴史は2010年頃~と古く、現在も重要なマーケティングに位置付けられます。

中国ではなぜKOLが重要なのか?歴史と背景  

KOLが中国で発展を遂げた背景には、中国人のメディアや広告を信用しない国民性にあります。

  • マス情報を鵜呑みにせず、家族や親しい友人から意見を参考にする行動特性
  • 2010年から発達したSNSを介したコミュニケーション

が土壌となり、専門的な知識を持ったKOLの口コミを参考にする様になりました。

また情報収集時も検索エンジンだけではなく、SNSで製品情報や口コミを収集しています。

実際、全インターネットユーザーの中に占めるモバイル比率は99.7%超(出典:2022年KOL营销白皮书)と非常に高い値です。

またSNSプラットフォームが増えたことで、KOL総人口自体も年々増加中。そのレベルやスタイルもピンからキリまで多様化しています。

今回は、中国マーケティングで避けては通れない「KOLのランク別活用術と失敗しないための注意点」を体系的にご紹介します。

2022年有名ブランドにおけるKOL活用状況  

2022年最新データ(2022年KOLプロモーション白書)によると、KOLを自社の重要な宣伝手段として活用している企業は67%となっており、前年比5%UPと未だ増加傾向にあります。

また、2021年末時点で中国には1,100万人のKOLが存在すると言われています。

(出典:2022年KOL营销白皮书)

企業がKOLを起用する3つの理由

①商品口コミ効果が高い

KOLが商品を使用したリアルな感想は大きな宣伝効果を発揮します。その影響力は非常に高く、KOLが推薦している商品に対して

  • 約2割が買う
  • 4割が購買時の参考にする

と答えています。つまりKOLの口コミが6割の消費者の購買行動に影響を与えているのです。

(出典:2022年KOLプロモーション白書)

②ライブコマースで拡販できる

2020年から始まった、ライブコマースの大流行ですが、現在は通常のマーケティング手段の一つとして定着。

1回のライブで数千万円売り上げるようなスターライバーの活躍もあり、その裾野は大きく広がっています。

化粧品やアウトドア用品・車など、特定領域の専門知識を持つ「垂直系KOL」によるライブコマースが、その存在感を増しています。

③ブランディングにつながる

KOLを使って企業イメージを向上させることができます。ただ近年は有名タレントを起用する比率が高まっています。

(2022年KOLプロモーション白書)

KOL、4つのランク定義と活用法  

KOLは中国において独自の進化を遂げており、その活動領域やフォロワー数などによってランク分けがされています。ベクトルチャイナでは4段階に分けて説明します。

(出典:2022年KOL营销白皮书)

A:超TOP KOL(超頭部KOL)

タレントやタレントと同等レベルのKOLなどの人たちで、ギャランティも高額です。

主な活用方法としては、その知名度を利用し、

  • ブランドアンバサダーとして起用
  • 動画・ライブコマースでブランド知名度やイメージをアップ
  • ブランディング目的

というものが多いです。

タレントを支える膨大なファンたちの商品購買を期待できることも特徴です。

▼微信(WeChat)で3,000万人以上のフォロワーを誇る 李佳琦Austin

▼日本でいうと・・・

ヒカキンさん、はじめしゃちょーさん、渡辺直美さん

B:TOP KOL(頭部KOL)

100万〜数百万人以上のフォロワーがいるトップレベルのKOLを指します。

タレントとまではいかなくとも、SNSにおけるそのキャラクターと高い知名度で影響力を持つため、比較的幅広いジャンルでPR効果を得られます。

起用法は、SNSで商品の知名度を上げたり、TOP KOLが主催するライブコマースで商品を販売することが多いです。

▼微信(WeChat)で1,000万人以上のフォロワーを誇る 深夜徐老师

▼日本でいうと・・・

水たまりボンドさん・東海オンエアさん、ゆうこすさん

C:腰部 KOL

数万〜数十万人程度のフォロワーをもつKOLのことを指します。このクラスは専門領域に特化した垂直系KOLが多いです。彼らは、知名度よりも専門性を売りにしており、豊富な経験知識に基づく説得力のある商品解説で、信頼する消費者が沢山ついています。

従って彼らの活用方法は「新しい商品の試用レポート」が最も効果的と言えます。

▼ファッション領域に強い丸子胡了

▼日本でいうと・・・

家庭菜園Youtuber宮﨑大輔さん・電子工作Youtuberイチケンさん、メイク系Youtuberななこさん

D:KOC(尾部KOL、素人)

数千〜1万程度のフォロワーを持っているのがKOC、尾部KOLと言われている人たちです。

KOCとはKey Opinion Consumerの略称ですが、現在非常に注目されているマーケティング手段です。

KOCの最も大きな特徴は、一般消費者と同じ目線にあること。リアルな感覚で商品を解説してくれるので、閲覧者も参考にしやすいのです。

また費用もKOLほど高くないので、草の根でリアルな口コミを増やしていくのには最適なマーケティング施策と言えます。

現在KOCはフォロワーの要求レベルがそれほど高くないため、育成がしやすいというメリットがあり、ブランド自体がKOCを育てている状況も増えています。

このように、一言でKOLと言っても用途やランクももちろんお値段も様々です。予算や目的により費用対効果の高いKOLキャスティングを立案することが、中国インフルエンサーマーケティングでは非常に重要なのです。

フォロワー数以外でKOLを評価する4つの切り口/PAVG

フォロワー数は分かりやすいですが、それ以外にもPAVGという切り口で評価する方法があります。

P:Performance(表現力)

優れたコンテンツはファンから強い共感を得て、議論や共有、そして購入につながります。KOLの過去30日間の有効再生回数や再生完了率収集し、投稿内容が拡散されている実数を評価します。

A:Advertising(ビジネス力)

商品販売促進能力です。ショッピングカートのクリック率といった要素を使って評価します。

V:Value(コストパフォーマンス)

コストパフォーマンスは、CPM(千人あたりの費用)、予測再生回数を収集し、計算することで評価されます。これにより、KOLの提供する価値と費用のバランスを測定します。

G: Growth(成長性)

成長性は、フォロワーの増加指数、アクティブ度指数、特定年代層への到達力などのパラメータを使用して計算されます。これにより、KOLの成長潜在力とファンの関与度を評価します。

KOPで権威付けするのも一手

最近の中国ではKOP(Key opinion of professional)の活用も進んでいます。KOLは一定の発信力はありますが、専門知識という点においては役不足。そこで業界経験、高い学歴、専門機関所属といった権威性を持つ人物(KOP)に登場してもらう事で、商品の信憑性を向上させています。

プラットフォーム別KOL活用法

SNSプラットフォームによっても、その特性やユーザーの年齢や性別に合わせて、宣伝内容や起用するKOLも変わってきます。以下簡単にご紹介しましょう。

(出典:2022年KOL营销白皮书)

①中国版TikTok(Douyin/抖音)

若者ユーザーが多くショート動画が人気のプラットフォーム。コスメ・食品・スポーツ用品を短時間で印象深く演出するプロモーションが効果的です。

②bilibili(ビリビリ)

若いアニメゲーム好きなユーザーが多いことから、ゲーム・コンテンツのプロモーションに適しています。

③RED(小紅書)

女性ユーザーが多く口コミ重視のため、コスメ関連のプロモーションによく活用されています。

KOLを活用する際の注意点

データ水増し・効果測定

KOLの起用ですがいいことばかりというわけではありません。

KOL起用の課題として、

  • 「データの水増しが横行し、本当の効果を測れない」
  • 「KOLの費用対効果が測りにくい」

と答えている企業は4割を超えています。

(出典:2022年KOL营销白皮书)

書類申請が必要な場合も

KOL起用は広告活動とみなされるため、プラットフォームによっては書類による申請手続きが必要です。

規約は頻繁に変更が起こります。実施する前に発注先に確認をしておくと良いでしょう。

広告明記が2023年5月1日から必須に

広告に関する規制が日増しに明確かつ厳格化しています。2023年5月1日より、「インターネット広告管理規定」が新たに施行されました。

よく見かける

  • KOLによる店舗訪問
  • KOLの商品紹介
  • KOLの体験記録

等の動画から商品の購入ページへジャンプさせるものは、この新規定によりインターネット広告と定義されます。これらの動画は「広告」と明示する必要があり、消費者を誤認させるような行為(いわゆるステマ行為)は規制されるようになりました。

KOL炎上リスク

KOL自体が何らかの不祥事やSNS炎上により、マーケティング活動に悪影響が出るケースも近年増えています。

起用する際には過去の発言などのリスク要素をチェックしておくことが重要です。

まとめ  

中国マーケティングに欠かせないKOLについて体系的に分類し解説しました。

ベクトルチャイナは2011年から上海に事務所を構え、現地の文脈に精通しています。

炎上リスクを回避しつつ、費用対効果抜群のKOL施策を立案されたい方、ぜひお気軽ご相談ください。 

     

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