今からはじめる訪日中国人向けデジタルマーケティング
世界がウイズコロナの方向へ動き始めた現在、日本でも様々な緩和政策が発表されています。厳しいゼロコロナ政策を堅持する中国との往来も、今後緩和が期待されるところです。
そんな中でインバウンド観光客が再度戻ってくる前から、観光プロモーションの準備を始めようとしている方も多いと思います。
今回は、来るインバウンドの本格的再開に備えてチェックするべきポイントをご紹介します。
中国人はモバイル・スマホ命
中国互联网络信息中心(CNNIC)による「中国インターネット発展状况統計報告 2022/8/31」によると、
- ネットユーザー全体の 99.6% がモバイル利用
- ネットユーザー全体の 91.5% がショート動画を視聴している
という結果が発表されました。
つまり私たちは、如何に訪日中国人観光客のモバイル端末へ情報を届けるのか考える必要があります。
また一般的に中国の一般消費者は、ホームページをほとんど閲覧しません。情報はSNS上で検索し、公式アカウント情報やSNSの口コミで情報を収集します。
押さえておくべき3つの中国SNSプラットフォーム
中国の消費者の3大情報源は下記3点です。
これらは「プライベートトラフィック(私域)」と呼ばれており、ユーザーに直接情報を届けることができる中国のデジタルマーケティングの重要な拠点です。
参考:【保存版】中国SNSプラットフォーム7つの特徴とケース別活用術
テキスト写真からショート動画の時代へ
SNS上で閲覧されるコンテンツにも変化が生じています。
特にZ世代を中心に「文字+写真」⇒「動画」へ変遷しています。
Z世代は物心ついた時からスマホ・タブレットを通じて動画を見てきたデジタルネイティブ世代。何事も動画で情報収集し理解する傾向があります。
つまり、ショート動画で情報を伝えられる中国版TikTok(Douyin/抖音)やWeChatのVideo Accountを活用して、観光地の今をわかりやすく魅力的に伝えるアプローチが必要です。
例えば
WeChat上のモーメンツ広告(タイムライン上に表示される広告)を投下し、公式アカウントのフォローを促すのが効果的です。なぜなら友人がUPする投稿や公式アカウント情報を消費者は入念にチェックしているからです。公式アカウントでは下記にようにショート動画を多くUPしておくことでフォロワー数が伸びやすくなります。
またKOL(インフルエンサー)が投稿する動画や口コミ情報を通じて、第3者的なプロモーションを行うのも効果的。その際にはRED(小紅書)が最適です。
デジタルマーケティングで「刺さるコンテンツ」とは
SNSで刺さりやすいコンテンツも変わってきました。
具体的には、動画は10分などの長いものより1分程度のショート動画が好まれるようになっています。クオリティ重視からスピードとインパクト勝負になってきているのです。
また、観光地紹介情報は長いテキストで説明するよりも、Vlog形式の解説動画が見られやすくなっています。
旅行スタイルも「モノからコト消費へ」
コロナ禍を経て中国人の旅のスタイルも変化が。
ここ数年中国では密を避け自然と親しむ旅行、特にキャンプが大流行しています。
また、北京オリンピックの直後にはウインタースポーツも注目されました。
典型的なものを3つ挙げてみました。
- 特別な体験(満点の星空、一面の雪景色、360度の絶景、雲海など)
- キャンプ(自然の中でおしゃれに滞在するグランピング)
- レジャー体験(スキーやスノーボードなどスノーアクティビティ体験)
訪日中国人というと爆買いのイメージが強いと思いますが、コロナ禍を経て欧米系の訪日外国人同様にコト消費志向に変化しているのです。
さらに余力があればWeChatミニプログラムを活用しよう
最も多くの中国人に使用されているチャットアプリWeChat(ユーザー数12億人)。このWeChatにはミニプログラムという機能があり、下記サービス利用が可能です。
- 観光案内や施設やチケットの予約
- レストランでのオーダー
- 商品の購買
- 免税の手続き
事業者側もリピーターを増やすためのCRMツールとして利用することもできます。
実績としてはフィンランドのヘルシンキや愛知岐阜三重地方で導入済。観光案内、電車のチケット購入、免税手続きをすべて一元管理できるため訪日中国人観光客から好評を博しています。
さあ、インバウンドの本格復活に向けて今から集客PRの準備をしてきましょう!