中国版TikTok(Douyin/抖音)のユーザーレポートから考える中国Z世代の価値観
日本では若い世代を中心にショート動画プラットフォーム、TikToKが人気ですが、中国でもZ世代を中心に大人気です。Youtubeが世界共通の同一プラットフォームに対し、TikToKは中国版と国際版の2つがあります。
今回は中国版TikTokことDouyin(抖音/ドウイン)のユーザーレポートから中国のこれからを支える若年世代の行動特性・価値観を分析していきましょう。
若者世代への高い浸透力
下記のグラフは中国版TikTok(Douyin/抖音)ユーザーの年齢別構成比を示したものです。10代後半から30代前半の若者で8割弱も占められていることが分かります。
さらにこのグループの中から18~23才、いわゆるZ世代を抽出し行動特性を分析したレポート「2022抖音年轻人洞察报告」を元に解説していきます。
中国版TikTok(Douyin/抖音) 18~23才のZ世代分析
ユーザー属性
性別比では男性がやや多いです。地域は主に二三線都市に分布し、学生やフリーランサー、会社員が8割を占めています。
Z世代は何を検索しているのか?
日本ではゲーム実況が非常に人気ですが、中国でも同様の傾向です。
また興味を持つジャンルは下記の通り。検索ワード上位だったゲームだけでなく、運動アウトドアからアニメまで非常に多岐にわたっています。
ちなみに「中国風」とは中国の歴史上の人物になりきる、いわゆるコスプレに該当します。このように中国のZ世代は自らの限界を設定することなく、なんでも興味の赴くままに探索するのが特徴です。既存の定義されたものを拒絶し、自由に謳歌する姿が見えてきます。
学習・勉強手段として使われる
Z世代は動画に慣れすぎているため、テキストコンテンツはほとんど見ません。従って中国版TikTok(Douyin/抖音)は勉強する手段としてもよく使われています。
日常的に最新情報とエンタメが見られることもあり、知識や情報をインプットする新しい手段となっているのです。
垣間見える強い愛国心
物質的に豊かで文化レベルが向上している時代に成長したこの世代は、自国に対して誇りを持っています。人気のTikTokerを分析してみると、面白い・楽しい・外見が良いといった一般要素の他に「愛国主義者」が上位に入っています。
また、Z世代が中国版TikTok(Douyin/抖音)で購入した商品の売上トップ10(2022年1月~5月)のうち、9つは中国産ブランドでした。ここにも若者の国産ブランドを支持する価値観が強く現れています。
まとめ
中国若年世代はテキストは読まずほとんどが動画視聴で事を済ませてしまいます。
また中国製は安かろう悪かろうというのは昔の話。自国製品を持つことに誇りを持っています。
中国Z世代にプローモーションする際は、これまでの慣例に捕らわれず、緻密に設計していくことが重要です。