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コラム

2023年中国市場上半期「バズ」トピック4選

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ベクトル中華圏スタッフが厳選した中国市場の2023年上半期の「バズ」トピック4選について、コラムをお届けいたします。中国のトレンドとカルチャーは常に変化しており、これらのトピックは新たな展望を切り拓く可能性を秘めています。

①買い煽らない新たなTOPライバーの誕生

近年、ライブコマースが中国市場で急速に成長しています。2023年上半期には新しいトレンドが続々登場し、これまでにないスタイルと魅力を持つライバーたちも誕生しました。

5月末、女優の章小蕙(テレサ・チャン)さんは小紅書(RED)で最初のライブコマースを配信し、プラットフォーム側最高視聴記録を更新。

その人気は6億近い視聴に迫り、同じ時間帯の他の主催者とは明らかな差がつきました。REDから発表された公式データによると、章小蕙さんの初ライブコマースの売上高は5千万元(およそ10億円)以上に達したそうです。

【章小蕙さんのプロフィール】

1963年6月10日に香港で生まれ、現在はニューヨーク在住。ファッションバイヤー、スタイリスト、映画俳優など多くの顔を持つ。かつては映画『桃色』の主役を演じた。

また、中国の人気女優である董洁さんもREDでライブコマースを行い、3千万元(およそ6億円)以上の売り上げを達成した記録があります。

彼女たちの登場により、ライブコマース業界に変化が生まれました。

彼女たちの成功の裏には、以下の要因があります。

煽らない理性的な配信スタイル

 彼女たちは競争が激しい従来のスタイルから「スローライブ(慢直播)」という独自の配信スタイルを確立しました。

従来のライブコマースでは、消費者が注文を急かされ、自身が本当に必要かどうかを考える余地がありません。多くの消費者は、押し売りされているような感覚があり、必要とは限らない商品を買ってしまう傾向がありました。

それに対してスローライブの場合は、考える時間があるため、急ぐ必要がありません。本当に欲しいものなのか、じっくり吟味して必要なものを購入することができます。

女性の視野と意識の変化

近年の中国の女性消費者は、単なる物質的な欲求だけでなく、ライフスタイルの向上や質の高い消費を求める傾向があります。章小蕙と董洁は、この変化に合わせてコンテンツを提供し、消費者のニーズに応えることで人気になりました。

個人イメージの構築

彼女たちは信頼性の高い個人イメージを築き、そのイメージが商品やブランドの信頼性に繋がりました。個人の信頼性は消費者の購買意欲に影響を与える重要な要素です。

彼女たちの事例は、中国の新しい消費トレンドやコンテンツ配信のヒントになるでしょう。

買い煽らないスローライブを動画で解説

https://youtu.be/EiISXo8DPeE?si=xNbvoEuNLzsC_E_a

②中国の若者の新トレンド「シティウォーク」

「シティウォーク」とは、中国の若者たちが都市の中で散策を楽しむ新トレンドです。

これは単なる散歩ではなく、ファッションやアート、グルメなど都市の魅力を堪能しながら歩くことを楽しむもので、SNSで発信されています。

若者たちが都市の中でリラックスし、インスピレーションを得る場として「シティウォーク」が人気となり、地域の観光振興や文化発信にも一役買っています。このトレンドは、都市の魅力を再発見し、新たなコミュニティを形成する要因にもなっています。

更に、ここ数年では中国各地でシティウォークイベントを行う団体が増加しています。エリアも北京市、上海市、広州市(Guangzhou)といった大都市から地方へと広がりを見せています。飲食、ショッピング、宿泊などの観光産業もその動きが活発です。

北京市、山東省(Shandong)などではすでに、シティウォークが文化観光レジャー促進のための施策が組み込まれています。

現在、中国有力SNSプラットフォームもまた、「シティウォーク」に注目しています。Douyi,kuaishou,Weiboなどのプラットフォームでは、シティウォークに関するコンテンツが溢れ、投稿されている写真も洗練されています。

REDの「2022年生活トレンドトップ10」では、シティウォークは5位にランクされ、大注目のトレンドです。

関連記事は前年比8倍以上に伸び、#シティウォークの記事で48万以上あります。

中国ではシティウォーク、寝台旅行、行き当たりばったり旅行など、様々な旅行形態があります。

その中でも、DT金融とDT研究所の「2023年観光調査報告」の統計によると、82%のユーザーがシティウォークを体験してみたいと回答し、興味を持っています。

このようにシティウォークは新しい旅行形態として、若者や市民に親しまれ、楽しまれているようです。

シティウォークを動画で解説

https://youtu.be/nOZwIpFjNyE?si=2FEkMH3xZbCv8JHC

③全国民が参加するトレンド「ドーパミン(多巴胺)」

検索ボリュームが急上昇する #多巴胺

WeChatの指数によれば、2023年5月から「ドーパミン」の検索ボリュームが急上昇し、10億回以上検索されました。小紅書(RED)の記事で「ドーパミン」に関連する投稿が378万件以上あります。また、Douyin(抖音)では、「ドーパミン女子のファッション」の関連投稿が100億件近くになるほどです。

「ドーパミン」はもはや「ホットトピック」という言葉では表現しきれないほど、市民の間で大きなブームになっています。

「ドーパミン」は以前の洗練された優雅で控えめなスタイルから一変し、カラフルで目を引き、活発で楽しい気分にさせてくれます。ネット上で人気になった後「ドーパミン」という言葉は配色スタイルを指すだけでなく、「ハッピーな要素」という意味も持つようになりました。

そして性別、年齢、職業の枠を完全に超え、全国民が参加するほど大盛り上がりを見せています。

ソーシャルメディア上では、「多巴胺男孩」や「多巴胺甜妹」と自称するドーパミンインフルエンサーが続々誕生。また、投稿されているコンテンツでは、「おじいちゃんKOL」も新しい流行に追いつくために自ら動き出しています。さらに、医師、CA、警察官など、いろんな職業の人が「多巴胺」のトレンドに乗っています。

このように、難しい理解を必要とせず、ただ明るい色彩と明るい気分をアピールする、素敵なムーブメントが起きているのです。

多種多様なドーパミン商品がかわいい

人間の幸福感や快楽感をもたらすドーパミンは、その効果からさまざまな分野に広がっています。例えば、ファッションやコスメだけでなく、アクセサリーやグルメ、飲料に至るまで、多様な商品がドーパミンの魅力を活かして市場に登場しています。

魅力的なデザインや体験を通じて、人々のドーパミンの放出を促し、豊かな生活を提供する商品は今後も増えていくことでしょう。消費者との感情的な結びつきを強化することで、ブランドの継続的な成功を支える重要な要素となっているようです。

ドーパミンを動画で解説

https://youtu.be/Qc43GZY6SS8?si=RZTiROPslBHSGess

④中国国内でブームを巻き起こしている「映画バービー」

映画「バービー」は中国で公開されてから6日間で興行収入が10億円を突破し、27万人が映画に高評価を与え、豆瓣电影(中国最大の映画レビューサイト)では8.5の良い結果になっています。

また、SNSプラットフォームであるREDBOOKを例に挙げると、#バービー#に関連するトピックの閲覧数が5.8億を突破。さらに、抖音では、#バービー#に関連する動画の累計再生回数が100億回を超えています。

映画のレビューや映画に関連するピンクのファッションコーディネートなどがSNS投稿でよく見られるようになりました。 

国内ブームでコラボ商品が続出!

IPコラボが得意のメイソウは先手を打ち、「万物皆可粉粉搭(ピンクなら、何でも組合せできちゃう)」をテーマにした約120種類以上のコラボ商品を発売しました。

オンライン上では、メイソウが抖音に投稿したバービーとのコラボ動画が15万以上の「いいね」を獲得し、公式アカウントの中で最も人気のある動画コンテンツです。

通常、公式動画は数十件程度の「いいね」しか得られませんが、バービーコラボ動画は高いエンゲージメントを獲得しました。

メイソウ以外、本土のラグジュアリーブランド「周大福」もバービーとコラボし、SNSでは話題になっています。

中国ではフェミニズムを用いたマーケティングが人気

「バービー」はトレンドをリードする一方で、性別に関する話題は現代社会で議論されにくい数々の問題の一つです。 今年、日本のフェミニズムをけん引してきた社会学者の上野千鶴子東大名誉教授が、中国でブームとなっています。約20冊の著書の翻訳が出版され、ネット上では上野氏との対談動画が約300万回も再生されました。このような背景がある中で、映画バービーやバービーとのコラボアイテムが爆発的に売れた原因は「フェミニズムを用いたマーケティング」だと考えられます。

まとめ

今回の記事では、中国のバズトピック4選をご紹介しました。

これらの「バズ」トピックは、中国市場における新たな変化とビジネスチャンスを示しています。ライブコマースやシティウォーク、そしてドーパミン、映画バービーなどの新トレンドは、今後も継続して発展していくことが予想されます。

特にコスメ、スキンケア、ファッション系の日本企業に対して、中国市場においての戦い方は日本と大きく異なります。

ビジネスの方向性やマーケティング戦略を検討する際には、これらのトピックを把握することが重要です。引き続き、中国市場のトレンドを注視していく必要があります。

ベクトルグローバル本部は、中国市場を含め、長年にわたり活動してきたパブリックリレーションズコンサルティング会社です。中国マーケティングや中国でビジネスを展開したい方、いつでもお気軽にご連絡ください。

     

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